サウンド オブ ミュージック
THE SOUND OF MUSIC
修道女見習いのマリア(ジュリー・アンドリュース)はトラップ大佐(クリストファー・プラマー)の7人の子供たちの家庭教師を言い付かる。意気揚々と向かったトラップ家の子供たちは厳格な父の教育に心を押さえつけられ、これまで何度も家庭教師を追い出してきた。しかし、忍耐強く愛情深いマリアは7人の子供たちと次第に心の交流をしていく。子供たちの変化に気づいたトラップ大佐にとってもマリアは特別な人になっていった。そんな幸せな家庭を築こうとするトラップ家にナチスの影が忍び寄る。
| 鑑賞日:1985年 |
| 映画館: |
『ウエストサイド物語』同様、ミュージカルの秀作。どちらもロバート・ワイズ監督作品です。

見る人を明るく楽しく前向きな気持ちにさせてくれるのはジュリー・アンドリュース演じるマリアの行動と笑顔、そして音楽が素敵だから。父に振り向いて欲しいと願う健気な子供たちの歌声が素晴らしいです。
歌と笑いが消えた家にもう一度音楽と笑顔を取り戻したマリア。しっかりと父の顔を持ちながら恋をするフォントラップ大佐。ナチスの影が物語をドラマティックにしています。(マリアと愛を確認した後のトラップ大佐は仏頂面からチャーミングな表情を見せるようになります)
忘れてならないのはエリノア・パーカー演じるシュレーダー男爵夫人。粋な彼女がマリアのキューピット、二人の愛の触媒になっています。
当時の鑑賞日記に何故か詳細の記述がなかったのですがパンフレットは残っていました。パンフレットによると、本作『サウンド オブ ミュージック』のジュリー・アンドリュースの歌の吹き替えや
『王様と私』のデボラ・カー
『ウエストサイド物語』のナタリー・ウッド
『マイフェアレディ』のオードリー・ヘップバーン
の歌の吹き替えをしている陰の功労者マーニ・ニクソンが尼僧ソフィアとして出演されています。
中学一年の音楽の授業でエーデルワイスをカタカナ英語で歌わされました。映画内でクリストファー・プラマー演じるトラップ大佐が歌うエーデルワイスはドイツに併合されるオーストリアを思う愛国の歌です。ラストのザルツブルク音楽祭で市民から拍手喝采されるシーンは観客の心も表現していて感動的です。
ドレミの歌は小学校だったか幼稚園で覚えました。「ドはドーナツのド」和訳は日本独自の歌詞です。その他、CMソングで使われた曲も数曲あり、映画と離れた音楽だけでも広く親しまれていますね。
本作を初めて見たのはテレビでした。子供が生まれてからは子供たちにも見せようとDVDを買い、またCDも購入し繰り返し聞いていました。
DVDの吹き替え版で見ると声優の武藤礼子さんが素晴らしい! オリジナルのマーニ・ニクソンの歌声とセリフの吹き替えが混在するシーンになんの違和感もない。もちろん、金内吉男さん、増山江威子さん、永井一郎さんも素晴らしい。マリアと愛を語る金内吉男さんは厳しい大佐だったのに急に色っぽくなるし、増山江威子さんの品があるのに小悪魔的な色気は『ルパン三世』 の不二子ちゃんのねっとりした色気とはちょっと違います。最近の人気声優さんはあまり存じ上げないのですが、一昔前の声優は”職人”という感じで本当に素晴らしいと思います。
サラトガ本線
Saratoga Trunk
母の復讐のためにパリからニューオリンズへ降り立ったクリオ・デュレン(イングリッド・バーグマン)は父の敵討ちのためサラトガ鉄道を襲撃する作戦を立てているクリント・マルーン(ゲーリー・クーパー)とニューオリンズの街中で出会う。
| 鑑賞日:2025年11月 3日 |
| 映画館:シネマヴェーラ渋谷 |
シネマヴェーラ渋谷のイングリッド・バーグマン特集。ありがとう シネマヴェーラ! 嬉しい♥

ゲーリー・クーパーがすっごくカッコよかった!
イングリッド・バーグマンが人形のように美しかった!
それ以外は何だかよくわからない作品でした。
亡母の復讐のために亡父の実家筋にケンカを売る(!?)バーグマン。パリ仕立ての美しいドレスを着て、びっくりするほど美しい。でもちょとヒステリックで問題ありの娘でした。が

バーグマンに色目を使われ、まんざらでもないクーパー。後半はバーグマンの気持ちを知り、駆け引きをするクーパーの方が一枚上手でした。ラストシーン、ベッドに伏せるクーパーの傍で泣きじゃくるバーグマンを薄めを開けて見ているクーパーには笑えます。
バーグマンの復讐か、クーパーのサラトガ鉄道の抗争のどちらか一方に絞った方が良かったんじゃないかな。と、生意気にも思う私…。キャストは同じで、バーグマンの復讐劇で一本、クーパーのサラトガ鉄道の抗争で一本でもいいですね。
本作は『誰がために鐘は鳴る』を監督したサム・ウッド監督作品。監督も出演者も同じです。『誰がために鐘は鳴る』の後に撮影されたようです。
さらば友よ
Adieu L'ami
女に頼まれバラン(アラン・ドロン)は女の会社の金庫室に入る。ヒョンなことからプロップ(チャールズ・ブロンソン)も一緒に入るが金庫に金はなく、金庫から出ると警備員が死んでいた。はめられた二人は別々に逃げる。
| 鑑賞日:1986年 7月24日 |
| 映画館:文芸坐ル・ピリエ |
『太陽がいっぱい』と二本立てで見ました。


【当時の鑑賞日記】
とにかくかっこよかった。
アラン・ドロンがかっこよかったとか、チャールズ・ブロンソンがかっこよかったとかじゃなくて(かっこよかったんだけど)ストーリーがほんとかっこよかった。
二人の仕草が可愛かったしね。でもやっぱりラストだろうね。あれはカッコイイとしか言いようがないね。何度も見たい映画だね。
ラストシーン、煙草に火をつけるドロンとチャールズ・ブロンソン。かっこいい!
サンセット大通り
SUNSET BOULEVARD
ギリス(ウィリアム・ホールデン)は車のローンが支払えず、取り立て屋から身を隠すために廃墟の豪邸入りこむ。そこには無声映画時代の大女優ノーマ・デズモンド(グロリア・スワンソン)が住んでいた。その家は華やかな世界に取り残されたノーマが執事と共に住む、時が止まった家だった。
| 鑑賞日:1986年 8月22日 |
| 映画館:銀座文化2 |

ビリー・ワイルダー監督作品なのでコメディだと思って見にいきましたが、ちょっと違っていました。映画がサイレントからトーキーへと移った当時には各所でいろいろなドラマがあったのでしょう。『ベロニカ・フォスのあこがれ』も悲劇でした。
【当時の鑑賞日記】
はっきり言って、この人は醜かったね。それに半分病気だと思うよ。それからこの主人公の気持ちがいまいちわからなかったなぁ。
あれはやっぱりお金目当てだったのかな?きっとこの頃は、無性映画の時代にもてはやされていたのに、映画が変わってからそれについていけなくなった俳優がいっぱいいたんだろうね。かわいそうだけどしょうがないね。
それにしてもビリー・ワイルダーはおしゃれです。
この作品はこの日一度きりしか見ていないのに、異世界に住むグロリア・スワンソンの顔と動作が強烈で忘れられません。後にディズニー映画『アリス・イン・ワンダーランド』(2010年鑑賞)に白の女王役で出演したアン・ハサウェイが役作りに本作のグロリア・スワンソンをイメージしたと聞き、なるほど雰囲気が似てる! と思ったものでした。
「サンセット ブルーバード」という通りが本当にあると知ったのはミック ジャガーのソロアルバムにある曲『LONLY AT THE TOP』の歌詞に出てきたこと。芸能に象徴的な地域なんですね。
サーカス
THE CIRCUS
| 鑑賞日:1986年10月14日 |
| 映画館:テアトル新宿 |

当時、1986年11月6日にて日本ではチャップリンの映画を上映できないということでした。(その辺り、現在どうなっているのか私は知りません。テアトル新宿だけの問題だったのかな?)そのため、テアトル新宿ではチャップリンの映画が何本もかけられ、大変な盛況でした。
・・・・・・・・・・
チャップリン本来のお家芸、ドタバタコメディだったはずですが、当時の私はどうやらお気に召さなかったようです。
【当時の鑑賞日記】
あんまり面白くなかった…。なんか… 笑いがしつこくて…
んーいまいちでしたね…
この作品は『チャップリンの独裁者』『チャップリンの兵隊さん』と3本立てで見ました。

ジギル博士とハイド氏
Dr.Jekyll snd Mr.Hyde
医者のDr.ジギル(スペンサー・トレイシー)は恋人ベア(ラナ・ターナー)との結婚を、おかしな研究をしている事を理由にベアの父に反対されていた。ジギル博士の研究は人間の中に善と悪を見出すもので、悪にシフトする飲み薬を完成させていた。ジギル博士は自ら薬を飲み、悪に支配されたハイドとなる。ハイド氏は酒場で働くアイヴィー(イングリッド・バーグマン)を監禁する。やがて薬を飲まなくてもハイド氏に代わってしまい、窮地に立たされる。
| 鑑賞日:2025年11月 9日 |
| 映画館:シネマヴェーラ渋谷 |
シネマヴェーラ渋谷のイングリッド・バーグマン特集。ありがとう シネマヴェーラ! 嬉しい♥

ジギル博士、とんでもないものを作ってしまいました。人間の悪の心だけを増幅する薬。人を傷つけることを厭わない悪魔のような人になる薬です。
念入りに動物実験をした後、自分自身に投薬します。その効果は絶大で、紳士のジギル博士とは正反対の男、ハイド氏になってしまいました。
ハイド氏になって傍若無人に振る舞うジギル博士。結婚にケチがついた腹いせでひと暴れしたかったのか、もしくは純粋に欲望を満たす為だったのか。(薬の力なので二重人格ではありません。ジギル博士の時にハイド氏の記憶が、ハイド氏の時にジギル博士の記憶があります)
あわれバーグマンはハイド氏の犠牲者で、監禁されてしまいます。酒場で働くアイビーは陽気でとっても可愛い子だったのに、怯える女になってしまいました。

この映画のすごいところはジギル博士とハイド氏を演じ分けたスペンサー・トレイシーの演技。静と動が見事です。紳士なジギル博士に対し、ハイド氏の動きの俊敏なこと。脱出するためドアに向かうバーグマンを追うハイド氏の動きの速さに驚いてしまいました。映画のセットなんて舞台よりも狭いと思いますが、空間を泳ぐようにすり抜ける動きにアクションスターを見た思いです。
ラナ・ターナーは悩める恋するお嬢様。とても可愛かったけど、バーグマンの方が印象に残ります。
死刑台のエレベーター
Ascenseur pour L'echafaud
大企業の社長の右腕ジュリアン(モーリス・ロネ)は社長夫人フロランス(ジャンヌ・モロー)と不倫の果て、社長を殺害してしまう。ジュリアンは証拠隠蔽のために再び現場に戻る中で、エレベーターに閉じ込められてしまう。 殺害後に社長夫人と逃げるはずだった車に花屋の従業員とそのボーイフレンドが乗り込み、偽名を使って泊まったモーテルでドイツ人夫妻を殺害してしまう。 ようやくエレベーターから出られたジュリアンはドイツ人夫妻殺害の嫌疑がかけられていることを知る。
| 鑑賞日:1989年 3月 6日 |
| 映画館:銀座文化劇場 |
【当時の鑑賞日記】
んーよかったよ!
主人公がエレベーターの中に閉じ込められた時は『さらば友よ』を思い出したね。ラスト20分が見ものだったよ。「エレベーターは証人にならない」っていうセリフも印象に残ったね。
ジャンヌ・モロー、ぜーーーんぜん笑わなかったよ。でもラストの写真で笑った顔がうつったんだ。それがすごく可愛くってさ、驚いちゃった。
「20年も30年も無駄な時間が流れる」なんてのもすごいなーっと思ったね。
”映画人間”みたいな人ばっかりだったのが嬉しかったな。
死刑台のエレベーター
Ascenseur pour L'echafaud
| 鑑賞日:2025年 1月20日 |
| 映画館:シネマ ブルースタジオ |

マイルス・デイビスのトランペットが印象的な本作。ストーリー展開も隙がなく、秀作です。
フロランスとジュリアンの愛は非常に強く描かれていました。裏切るはずがないと恋人を探すジャンヌ・モローは気品がありながらも一途でかわいい女。殺人を犯して逃げるしか愛を成就できないという短絡的な考えしかできなかったフロランス。花屋の女とボーイフレンドの子供のカップルと差して変わらない未熟さです。
写真の現像から犯人が割り出されます。その写真の中に幸せな時間を過ごしていた恋人達の姿がありました。モノクロ映画だからこそ、この写真がキラキラして見えたのかもしれません。
1989年に鑑賞した時は『さらば友よ』を思い出したようですが、今回は三谷幸喜監督の『ステキな金縛り』を思い出しました。金縛りにあっていた時間は証明できないし、証拠にはならない。金縛りとエレベーターにはアリバイ能力なし。
7年目の浮気
the seven year itch
避暑地に妻と子供を送り出したリチャード(トミー・イーウェル)はハメを外す妄想にふける。そんな折、2階の部屋に美しい女性(マリリン・モンロー)が短期滞在のため引っ越してくる。部屋にエアコンがないその美女は、エアコンのあるリチャードの部屋に出入りするようになり、リチャードの妄想はますます大きくなっていく。
| 鑑賞日:1986年 7月30日 |
| 映画館:文芸坐ル・ピリエ |
マリリン・モンローがオーラを放つ美しさで、リチャードだけでなく見る者すべての目を釘付けにします。哀れリチャードは妄想と現実を行き来し、消耗。魔性の女が現れちゃ仕方ないですね。
地下鉄の送風口からの風で涼をとるシーンや、窓から靴を投げるラストシーンなど、静止画にしても商品になってしまうほどにモンローが輝いています。劇中で「キッチンにいる金髪美女はマリリン・モンローかも」というセリフからもわかる通り、人気絶頂の頃だったのでしょう。


【当時の鑑賞日記】
ビリー・ワイルダーっていいね。好きになっちゃったよ!
マリリン・モンローかわいかった。例のスカートがふわ〜ってまくれちゃうやつ見て思ったんだけど『お熱いのがお好き』の頃より痩せたんじゃないかな・・。足が細かった。
できることなら、この主人公はジャック・レモンにやって欲しかったな。きっともうちょっとステキな作品になったよ!
まぁ、この人は神経質な人だから浮気はできないね。それから・・、モンローってあんまり頭よくなさそう・・と思った。
「頭よくなさそう」というのは彼女が背負っていたイメージで、それは彼女が男社会でセックスシンボルとして求められていた偶像なのかも知れません。『紳士は金髪がお好き』では「頭悪く見せてる」と言っていました。ここで弁明させてもらった感じでしょうか。
ジミ・ヘンドリックス
a film about JIMI HENDRIX
生前のジミを知る人たちのインタビューを交えた、ジミ・ヘンドリックスのドキュメンタリー映画。
| 鑑賞日:2018年11月20日 |
| 映画館:Zepp DiverCityTokyo |

ジミ・ヘンドリックスは『FOXY LADY』とその他有名な曲を数曲しか知らなかったのですが、この映画にミックが出るってことだったので見に行っちゃいました。
ジミの印象は「やべーぞ、こいつ」。ギターはかっこいいんだけど、観客を見ているのかな? という疑問が残りました。自分のために演奏していたのかなって。なんだか生き急いでいるような、周りが全く見えていないようでした。
ミックが言った「生きていてほしかった」っていう言葉が一番ストレートに印象に残りました。
この映画にはキース・リチャードの恋人でもあったリンダ・キースが出演しています。リンダ・キースの動く、そして話す姿を初めて見たので、ちょっと嬉しかったな。
ジャスト・ア・ジゴロ
JUST A GIGOLO
1920年代、青年将校ポール(デヴィッド・ボウイ)は活躍の場もないまま終戦を迎える。敗戦したドイツ国内では貧困や享楽に支配され、自堕落に暮らす人々であふれていた。エリート軍人だったポールでさえただの失業者でしかなく、恋人のシリー(シドニー・ローム)にも去られてしまう。目標も生き甲斐も無くしたポールはジゴロを統括するセマリング男爵夫人(マレーネ・デートリッヒ)のもとで働くようになる。
| 鑑賞日:1983年10月 1日 |
| 映画館:テアトル新宿 |

洋楽を聴かない人にまでデヴィッド・ボウイ人気が広がったのは大ヒット映画『戦場のメリークリスマス』の公開からかもしれません。私の周りにもそんな友人がたくさんいました。
本作は『戦メリ』から遡ること5年、1978年公開のドイツ映画。ボウイの美しさだけでなく、蒼々たる顔ぶれの美しい女優陣が出演。目の保養になります。私が初めてマレーネ・デートリッヒを見た作品でもあります。
【当時の鑑賞日記】
もっとかたい話だと思ってたのにけっこうおもしろかった。
不思議なことに本作は『ベニスに死す』との2本立てでした。(このチョイスは何? 絵になる男つながり?)私は『ベニスに死す』が観たくて、ボウイファンの友人は本作が観たくて一緒に行ったのですが…、『ジャスト・ア・ジゴロ』上映後『ベニスに死す』が始まってからずーっと退屈そうにしていた友人を気遣い、途中で退出してしまいました。ヴィスコンティ映画はヴィスコンティファンじゃないと受け入れられないのか?
当時のテアトル新宿10月番組表によると、デヴィッド・ボウイ来日記念週間だったようです。オールナイトでは『地球に落ちてきた男』も上映しています。
ジャンヌ・ダーク
Joan of Arc
15世紀。フランスはイングランドとの長い戦争の中、劣勢に陥っていた。フランス、ドンレミに住む乙女ジャンヌ(イングリッド・バーグマン)は数年前から神のお告げを受けていた。フランスを勝利に導き、シャルル7世の戴冠を行うべく、ジャンヌはシャルル7世に会いに行く。
ジャンヌの活躍でフランスは勝利を勝ち取る。しかしジャンヌは捉えられ、シャルル7世の救出もないまま、処刑される。
| 鑑賞日:2025年11月14日 |
| 映画館:シネマヴェーラ渋谷 |
シネマヴェーラ渋谷のイングリッド・バーグマン特集。ありがとう シネマヴェーラ! 嬉しい♥

中世フランスの史実。百年戦争を終わらせた功績がありながら19歳で処刑されたジャンヌ・ダルクの生涯をバーグマンが孤高に演じます。勇ましさと少女の心が見てとれ、またバーグマンに惚れてしまいました。

同じフランスでもブルゴーニュ軍はイングランドと繋がりがあり、ジャンヌは囚われてしまいます。なぜここでシャルル7世が助けなかったのか。映画の中では政治ができる才覚がある人には見受けられなかったので、裏切りというよりも無能な男だということでしょうか。
バーグマンは非常に美しかった。彫刻のように美しかった。本作はカラーだったのですが、髪の美しさにも驚いてしまった。バーグマンは役の振り幅が非常に大きい。演技力が高い。その上、美しい。やはり他に類を見ない女優だ。
知りすぎていた男
THE MAN WHO KNEW TOO MUCH
ベン(ジェイムズ・ステュワート)とジョー(ドリス・デイ)のマッケンナ夫妻は一人息子のハンクを連れてマラケシュへ旅行に出る。家族3人の楽しい旅行のはずが事件に巻き込まれ、子供を誘拐されてしまう。異国の警察に相談できず、二人で子供の救出を試みる。
| 鑑賞日:1987年 2月23日 |
| 映画館:文芸坐ル・ピリエ |
ヒッチコックのサスペンス映画。『北北西に進路を取れ』と二本立で見ました。2本目でちょっと疲れてたのかも。当時の私の感想はちょっと残念なものでした。

【当時の鑑賞日記】
息子が誘拐されるまでのあの夫婦は演技でなく、本当の夫婦みたいだった。本当に自然で演技じゃないみたいだった。
これもいまいち何が言いたいのか、よくわからなかった。ただ私には「治安の悪い国へは行くな!」としか理解できなかった。
ねぇー、ヒッチコックってこんなんだったっけ? 私の知ってるヒッチコックは『汚名』とか『白い恐怖』とか『裏窓』みたいにハラハラドキドキする、そんな映画だったのに…。
2作品ともがっかりでした。
治安の悪い国
ってのがどのレベルかわかりませんが、旅行にトラブルはつきもの。でも命に関わる大きなトラブルはご免です。
この作品のポイントは音・声で、ドリス・デイは素晴らしい歌声を披露しています。
ハンク救出時の歌と口笛のコール&レスポンスも、シンバルの音も、暗殺を救ったジョーの悲鳴も、非常に印象的です。さすがヒッチコック!
ちなみに私が初めて『ケセラセラ』を聞いたのはペギー葉山さんの日本語バージョン。子供心になんて素敵な歌なんだろうと思いました。こんなサスペンス映画の主題歌とは思えません。この歌を私に教えてくれたのはペギー葉山さんですが、やはりオリジナルのドリス・デイの方が素敵ですね。
フランス領モロッコにはドラマが生まれるのでしょうか。『カサブランカ』もモロッコだし、そのものズバリ「モロッコ」も映画にありますね。
白い恐怖
SPELLBOUND
精神科病院。所長のマーチソンが辞め、新院長としてエドワーズ博士(グレゴリー・ペック)が着任する。女医のコンスタンス・ピーターソン博士(イングリッド・バーグマン)はエドワーズに一目惚れをする。コンスタンスはエドワーズが何らかのストレスを抱えていることに気付き、さらには彼は本物のエドワーズ博士ではないことを知る。エドワーズ博士と名乗った男JBは、自分がエドワーズを殺しエドワーズになりすましていると思い込み、コンスタンスに迷惑はかけられないとニューヨークへ逃げる。コンスタンスはエドワーズが犯人ではないことを信じ、殺人の容疑がかかる彼を守りながら真犯人を突き止める。
| 鑑賞日:1984年 2月 8日 |
| 映画館:銀座文化2 |
前年に観た『誰がために鐘は鳴る』と『カサブランカ』でイングリッド・バーグマンにノックアウトされた私。本作と『汚名』は願ってもない組み合わせの上映でした。


【当時の鑑賞日記】
初めてヒッチコックの映画を見た。とてもよかった。おもしろかった。
犯人がすっごく意外だった。精神科の医者というのがなんかとても新鮮だった。患者の夢を判断するのも新鮮だった。いい映画だ思う。
ヒッチコックの作品を「いい映画だ」と上から目線で言ってしまう相変わらず生意気な高校生です。
この作品、バーグマンのファンは皆、女医に扮するバーグマンの美しさにため息をついたことでしょう。この作品でもバーグマンは”綺麗なのに可愛い”と言う反則技で私を攻撃してきました。本当に素敵な女優です。グレゴリー・ペックはナヨナヨの優男(失礼!)で頼りなげ。ちょっと”可愛い”です。
記憶喪失の優男の夢判断シーンで美術監督をしたのがサルバドール・ダリでした。私がダリの存在を知ったのは、絵画ではなくこの映画です。夢を診断するということで日常では理解不能なシーンやくねくねとしたモチーフが印象強かったです。(2006年上野の森美術館で行われた『ダリ回顧展』ではそのデザイン画が、2016年国立新美術館で開催された『ダリ展』では映画のワンシーンが上映されていました)
ヒッチコックは自分の監督した作品に自ら必ず出演することで知られています。なので、ヒッチコックの姿がスクリーンに映し出されると、笑うシーンではなくても観客は『クスッ』と笑っています。ヒッチコックの遊び心と映画ファンとのミニ交流のようで素敵ですよね。
白い恐怖
SPELLBOUND
| 鑑賞日:2025年11月11日 |
| 映画館:シネマヴェーラ渋谷 |
シネマヴェーラ渋谷のイングリッド・バーグマン特集。ありがとう シネマヴェーラ! 嬉しい♥

美しい女医さんとグレゴリー・ペックの優男ぶりを見に行ってきました。41年ぶり2回目の鑑賞です。
メガネをかけたバーグマンの女医さんはとても美しく、かっこいいです。演じる役の幅が広いですね。ちょっと当時のハリウッドにはいないタイプかな!? 本当に素敵です♥
記憶喪失のJBは私の41年前の記憶の通りナヨナヨしてました。ハンサムな上に弱々しいJBにコンスタンスは母性本能(?)をくすぐられたのかな?
この役はグレゴリー・ペックで正解です。ゲーリー・クーパーには無理。シャルル・ボワイエにも絶対できない。(←断言している私)
白銀の世界に残る轍。こんなものに恐怖を覚えていたら日常生活は支障だらけです。JBさんは自分を取り戻せてよかったですね。
ダリの夢診断のシーンは記憶していたよりも短かったです。短い時間の中で現実とはかけ離れた異様な世界を作り上げていました。ここでダリを採用するヒッチコックは素晴らしいです。

記憶がはっきりしないペックとバーグマンの会話
バーグマン「どこにいたの?」
ペック 「ローマ」
バーグマン「ローマで何してたの?」
私 「はいはーい! 私知ってまーす! ローマで新聞記者やってましたー!」と言いたかった。
(『ローマの休日』は本作よりも後に公開されています。)
紳士は金髪がお好き
Gentlemen Prefer Blondes
ローレライ(マリリン・モンロー)とドロシー(ジェーン・ラッセル)は人気の踊り子兼歌手だった。金髪のローレライは御曹司と結婚の約束をするがその父に反対される。お金とダイヤが好きだと主張するローレライの身にダイアのティアラ窃盗の容疑がかかる。
| 鑑賞日:2022年 5月 5日 |
| 映画館:キネマ旬報シアター |
マリリン・モンローのための映画といっても過言ではなく、映画と言うよりはモンローの魅力を追ったプロモーションビデオのような作品です。
モンローの引き立て役に徹しているブルネットのジェーン・ラッセルがよく引き受けたなと思いますが、映画同様、非常に性格のよい人だそうです。(姉御肌?)

ストーリー展開はいかにも”アメリカン”でハッピーエンドです。ストーリーはさておいて、私はこの作品の楽曲が大好きで、一緒に歌い出しそうになるくらい楽しかったです。
モンローとラッセルが赤いドレスで『a little girl from Little Rock』を歌うところから始まり、鳥肌もの! 『Bye Bye Baby』を歌うジェーン・ラッセルのかっこいいこと! 『Diamonds are a Girl's best friend』を歌うマリリン・モンローの可愛らしいこと!(ショウアップされ印象的なこのシーンはマドンナが自分の楽曲『マテリアルガール』でアイデアを拝借しています)
ストーリーにあまり面白みを感じないものの、何度も見たいミュージカルです。
真珠の頚飾
DESIRE
パリの宝石商を騙して真珠の首飾りを盗んだマドリン(マレーネ・ディートリッヒ)は、旅行中のアメリカ人、トム・ブラッドリー(ゲーリー・クーパー)のスーツのポケットに首飾りを滑り込ませ、フランスとスペインの国境をまんまと通り抜ける。マドリンはポケットに忍ばせた真珠のネックレスを取り戻すべく、ブラッドリーに色仕掛けで近付く。
| 鑑賞日:2025年 9月19日 |
| 映画館:シネマヴェーラ渋谷 |

エルンスト・ルビッチ監督作品特集で上映されていました。
邦題は『真珠の頚飾』ですが原題は『DESIRE』(=欲望)です。マドリンが本当に手に入れたかったのは真珠のネックレスではなかったようです。
『モロッコ』ではクールにかっこよくキメていたマレーネ・デートリッヒとゲーリー・クーパーが巻き起こすオシャレなコメディ。

デートリッヒが文句なしにかっこいいです! 着こなしも素晴らしい! 宝石商と精神科医を見事に騙す姿は堂々としたものでしたが、恋する乙女はかわいらしい! この落差は見ものです。
ゲイリー・クーパーが演じるアメリカ人は爽やかな好青年です。ちょっとデレっとした顔がなんだかかわいい。あんまり他の映画では見ない顔でいいですね! クープファンは必見です!
スイング ホテル
Holiday Inn
歌手のジム(ビング・クロスビー)とダンサーのテッド(フレッド・アステア)は美しいライラ(マジョリー・レイノルズ)を取り合うショーで人気を博していたが、実際にも三角関係になっていた。テッドに恋人ライラを奪われたジムは舞台を辞めて田舎で農業を営む。そこで、祝日だけ営業するホテルを経営する。年間15日しか営業しないホテル ホリデイインでは営業日にショーをやる計画を立てていた。そこにエンターテイメントの仕事を探すリンダ(ヴァージニア・デイル)が雇って欲しいと現れる。程なくライラにふられたテッドもホテルにやってくる。ジムはホテルのショーでテッドとリンダがペアを組むことを妨害する。
| 鑑賞日:2025年12月 8日 |
| 映画館:シネマヴェーラ渋谷 |
ビング・クロスビーとフレッド・アステアのコンビなんて非常に贅沢なキャスティング! 細かいことですが、クレジットはアステアよりもクロスビーの方が上でした。

アーヴィング・バーリンがアメリカの祝日ごとに歌を作りました。ビング・クロスビーが歌う『ホワイトクリスマス』は大ヒットしました。現在でもクリスマスシーズンには必ずどこかで流れています。(映画を見てなくても誰でも知っている!)クリスマスの情景が浮かぶ美しい曲ですね。
本作ではアステアがちょっぴりヒール役で、クロスビーを立てています。
クロスビーはピュアでおとなしい青年で、テッドに2度も恋人を奪われてしまいます。リンダが会場に辿り着かないように小細工するなど、なんとも力無い男。そんなだから女を取られるんだよ! と言いたい。男らしく恋人を奪い返せないクロスビーも、人の女を奪うアステアも、「なにやってんだよ!」ですが、最後は丸く収まるし、アステアのダンスが見られたのでよし。

アステアは撮影時の画角と自分の動きが頭に入っているので、見せ方が完璧。足を上げる角度や指の形も美しい。ダンスだけではなく、演技もシリアスもコメディもこなします。本作でもショーの本番中にジムの腹いせでバレエとタップを交互に踊らされて、笑わせてくれます。さすがですね。
アーヴィング・バーリンが作る曲は映画と一緒に記憶に残ります。本作でクロスビーが歌っていた『LAZY』はマリリン・モンローも歌っていました。そして私は『cheek to cheek』が好きです。
スティーブ・ジョブズ
Steve Jobs
アップルの創始者、スティーブ・ジョブズの自伝映画。
| 鑑賞日:2013年11月 8日 |
| 映画館:ー |
スティーブ・ジョブズの没後に映画が製作されると発表があり、とっても期待した反面、主演がアシュトン・カッチャーだと聞いてイメージが違うなと思っていました。しかし、ビジュアル面、全く違和感なし! 映画は史実を追う楽しさだけでなく、アシュトン・カッチャーが演じるジョブズを視覚でも楽しめるものでした。
ジョブズは「天才だけど傲慢な経営者」だと言われています。ジョブズに近い複数の人が言うのだからそうだったのでしょう。でも、本作ではそのどちらでもないピュアな人間が描かれていたように思います。彼のまわりにイメージを共有できる人間が極端に少なかっただけで、決して傲慢な男ではなかったのではないかと。Lisa開発時に、フォントを後回しにするスタッフを切り捨てたシーンを見て強く感じました。本作ではそんなジョブスの孤高の姿が描かれていました。
スティング
THE STING
ギャングの大親分ロネガン(ロバート・ショウ)の賭博場の収益金と知らずに巻き上げた3人組。報復のために年長のルーサーが殺されてしまう。年少のフッカー(ロバート・レッドフォード)はルーサーの仇を取るためにルーサーの旧友ゴンドルフ(ポール・ニューマン)に協力を依頼する。相手がロネガンと知ったゴンドルフは、時間をかけて周到な計画を立てる。
| 鑑賞日:1981年11月15日 |
| 映画館:テアトル池袋2 |

力技ではなく頭脳で復讐を企てます。痛快でクール。完成度の高い作品です。
【当時の鑑賞日記】
楽しかったね。映画の内容もちゃんとわかったし。
ポール・ニューマンにすごい魅力を感じた。
映画終盤のドキドキした思いをよく覚えています。騙されたのはロバート・ショウだけでなく私も。巧妙に仕上げられた脚本が実に素晴らしい。
当時はテーマ曲も好きで、FMで放送されたテーマ曲をラジカセに録音し、何度も繰り返し聴いていました。本作は音楽も秀逸です。
本作品は『追憶』との2本立てで見ました。
スティング
THE STING
| 鑑賞日:1984年 4月14日 |
| 映画館:母校の体育館 |
今思うと、新入生歓迎会で『スティング』を上映するなんて洒落てたな〜。映画好きな先生がいたんだろうな〜。
【当時の鑑賞日記】
新入生歓迎会のために上映しました。
久々にレッドフォードとポール・ニューマンを見た。今回はしっかり「ハローエブリバディ.アイム エフビーアイ.」と聞きましたよ!
これは警察が賭博場に乗り込んできた時のセリフ。日本語訳が「神妙にしろ!」的なセリフなのに、オリジナルは実にクールだったと言いたかったのだと思います。
ストロンボリ 神の土地
STROMBOLI TERRA DI DIA
第二次世界大戦末期。カリン(イングリッド・バーグマン)はローマの難民収容所にいた。シシリアの漁師アントニオ(マリオ・ヴィターレ)のプロポーズを受けアントニオの故郷ストロンボリ島へ行く。外国人を嫌う現地の人々の冷たい目に耐えられないカリンは島を出たがるがアントニオは受け付けなかった。
| 鑑賞日:1988年11月27日 |
| 映画館:シネマスクエア東急 |
イングリッド・バーグマン主演、ロベルト・ロッセリーニ監督作品。
パンフレットは『ストロンボリ 神の土地』『イタリア旅行』『不安』の3作品を掲載しています。




【当時の鑑賞日記】
私としては…
バーグマンに安っぽいセーターだの安っぽいフレアスカートなんかはいて欲しくなかった。
まず、ロッセリーニが何を言いたかったのか、さっぱりわからなかった。映画で映し出されていたのは風景でもなく、人生論でもなく、ある人間だった。それがバーグマンだったんだけどね。
バーグマンの夫って人、すごくいい人間だ。バーグマンのために必死になって働いてる。でも、バーグマンだってちょっとわがままだったかもしれないけど一生懸命に島の生活に慣れようと努力してた。どちらも悪くない。でもうまくいかなかった。
ラストで島の向こう側の街に行こうとバーグマンが火山に登るんだ。そこで歩けなくなって泣いて泣いて神に慈悲を乞うんだ。その姿が恐ろしかったね。

どこの国の人間でも、大人でも子供でも自分の力に負えないことがあると泣くんだ。それが恐ろしかった。
バーグマンって大きいなって思った。胸も大きいし、お尻も大きかったけど、足は細かった。しかしバーグマンは綺麗だった。
映画って芸術だなって思ったね。ほんと。
ロッセリーニとバーグマンの作品は本作と『イタリア旅行』しか見ていませんが、人形のように美しい女優ではなくリアルな女を映し出していて、鑑賞当時はちょっとした拒否感があったようです。
スワンの恋
Un Amour de Swann
教養高い紳士スワン(ジェレミー・アイアンズ)は娼婦(オルネラ・ムーティ)を愛してしまう。軽蔑する社会の眼も気にせず、スワンは愛に没頭していく。
| 鑑賞日:2017年 7月 7日 |
| 映画館:bunkamuraル・シネマ |
娼婦を狂おしいほどに愛してしまう貴族の話。愛に翻弄される姿が板に付いてる(?)ジェレミー・アイアンズ、さすがです。フランス映画らしくシニカルに終わっています。これがハリウッド映画だったら『プリティウーマン』のようにハッピーエンドになるんだろうな。
聖メリーの鐘
The Bells of St.Mary's
オマリー神父(ビング・クロスビー)は尼僧ばかりの教会に赴任する。学院長のシスター ベネディクト(イングリッド・バーグマン)とは学校教育で意見の不一致があった。
聖メリー学院は校舎の修繕費を捻出するために運動場だった土地を売っていた。その土地に立派なビルが建つ。尼僧たちはそのビルをオーナーが教会に寄付してくれるように祈る。
| 鑑賞日:2025年11月 3日 |
| 映画館:シネマヴェーラ渋谷 |
シネマヴェーラ渋谷のイングリッド・バーグマン特集。ありがとう シネマヴェーラ! 嬉しい♥

尼僧のバーグマンの美しいこと! モノクロの画面に修道服が美しく映えます!
バーグマンが教育者として子供に向き合う姿がとっても素敵です。他の尼僧たちもとても暖かい。でも成績が悪い子供をみんなと一緒に卒業させられないと、ここは厳格です。(その後、その子がわざと答えなかったとわかり卒業させます)
売った土地に建つビルを寄付してほしいと祈る様子には驚きますが、社会的な成功者が慈善事業で寄付をすることは盛んに行われているので不思議ではないのでしょうね。きっと。

最後に異動を言い渡され、追い詰められたシスター ベネディクトの祈る姿が美しい。(本人は苦しんでるのに美しいなんて不謹慎だわ)
シスター ベネディクトは異動の理由もわかり、子供たちは新しい綺麗な校舎で学べるし、願いは全て叶いましたね。
神父役のビング・クロスビーはやっぱりいい声だなぁと思いました。神が与えた声ってことなんですね。きっと。
・・・・・
本作の邦題は『せんとメリーのかね』です。おじいちゃんが『せいメリーのすず』と言ってチケットを買っていました。おしいっ! ニアピン賞!
ソフィーの選択
Sophie's Choice
1947年、作家志望のスティンゴ(ピーター・マクニコル)はニューヨークに移り住む。そこで2階の住人ネイサン(ケビン・クライン)とパートナーのソフィー(メリル・ストリープ)と意気投合し親しくなる。そんなある日、スティンゴはソフィーに暗く壮絶な過去がある事を知ってしまう。
| 鑑賞日:1983年11月 6日 |
| 映画館:新宿文化シネマ2 |

初めてメリル・ストリープを見たのがこの作品でした。
【当時の鑑賞日記】
なかなかいい映画でした。
つらい過去を持っているのは十分わかるけど、この人は生・死の選択が遅すぎたと思う。かわいそうだけど子供を一人差し出した後、もう一人の子供が消息不明の時、もう親として失格だと思う。
主役のメリル・ストリープさんの演技がすばらしいなと思った。それから、私はこのネイサンのような人が好きだ!(狂ってるところはちとぬかして)橋の上で乾杯するシーンは素敵だった。
なかなかに手厳しい当時の鑑賞日記です。親失格なんだから自ら命を断てと言っているような、怒りも見えます。当時の私は彼女の選択を理解できなかったようです。親の立場からと子の視点からでは理解度も違うでしょう。極限状態の中で誰かを生かすための選択。こんな選択を迫られることのない世の中であって欲しいと思います。